よくあるご質問
- 「外国人技能実習」とはどのような制度ですか?
- 日本は一般的な仕事(特別な資格が必要でなく誰でも就くことができる仕事)に外国人が就くことを難しくしている労働政策(又は「移民政策」)を持つ国です(日本人の配偶者、永住・定住者ビザを持つ人を除く)。日本で働く外国人には14種類の「就業ビザ」が交付されます。しかし、このビザは、教授・芸術・宗教・研究・教育など特別な知識や技術・技能を持った人に限られ、外国人が日本に来て日本人と同じように仕事を探して就くことはできません。
日本は優れた科学技術を持ち経済発展を遂げた先進国の一員です。しかし、アジア等の各国ではいまだ経済発展から取り残された国も多く、これらの国から自国の経済発展のために日本の進んだ技術の移転を求める要望が強く出されるようになってきました。このようなアジア各国からの要望に応えてつくられた制度が「外国人技能実習制度」です。
この制度は自国で就いていた(あるいは職業訓練を受けていた)職種と同じ職種の実習を日本の事業所で行うという形態で、期間中実習生は使用者と雇用契約を結び仕事につきます(日本の労働法制と社会保険が適用される)。実習期間終了後に母国に戻ってその仕事に戻り自国の経済発展に貢献するという制度です。今までは実習期間は3年間でしたが、平成29(2017)年11月から期間が延長され最大5年間の実習を受けること(雇用の継続)ができるようになりました。5年間の実習を行うためには上図のように日本語検定・技能検定試験に合格することが必要です。
- なぜ介護職に導入されたのですか
- 日本はすでに高齢化社会に突入しており、介護保険も整備され様々な介護制度・施設を生み出してきました。アジアの国々は、今は若者が多い社会となっていますが、いずれ日本と同じような高齢化社会になることが予想されています。そのような事態に備えて、アジア各国でも介護の制度を整備する動きが出ています。その際に、日本の介護制度・技術を参考にしたいという要望が出され、技能実習の新たな対象職種として平成29(2017)年11月から介護職が付け加わりました。
外国人技能実習制度は日本の労働現場の人手不足を補う制度ではありませんが、外国人技能実習生を導入した企業・事業所とその職員の活性化が期待されており、同時に介護の国際交流を促進させるものであると言われています。このような積極的な側面があると期待されています。
- どんな人が実習生として日本に来るのですか?
- 介護に絞って状況を説明します。アジアの国々ではまだ介護という「概念」は充分に確立しておらず、「看護」に含まれるものとなっている国が多いようです。ですから介護職の技能実習生として来日する人(始まったばかりで、介護職の技能実習生はこれからですが)の多くは前職が看護師という場合や看護を学ぶ短大や専門学校の卒業生が多くなると予想されます。
技能実習生は日本へ派遣されるために母国の「送り出し機関」に所属することが必要です。日本で技能実習を行うことを希望する人は送り出し機関に求職を申し込み登録され、日本からの求人に基づき採用が決まれば、送り出し機関に入所し半年~1年間程度の技能教育・日本語教育を受け、派遣されることとなります。日本語検定のN4に合格することが派遣の前提ですが、N3レベル(日本語を使っての仕事が可能なレベルと言われています)となってから日本に派遣したいと送り出し機関では説明されています(入国後にN3の試験に合格)。来日して事業所に配属される前に、入国後講習を受けることになっています。この期間は基本2ヶ月間ですが、送り出し機関で日本語教育を一定時間行った場合は1ヵ月に短縮されます。
- 技能実習生は実習期間が過ぎれば帰国するのですか?
- 日本の進んだ技術を母国に伝えるための制度ですから、実習期間が終われば帰国することとなります。実習生は3or5年間の実習期間中は日本国内で職場を変わらないことが前提の制度ですので、採用時に3年または5年同一事業所での継続勤務が期待されます。
すでに外国人技能実習生は様々な事業所で導入され、多数の実習生を受け入れている企業もあります。受け入れ事業所には実習生を指導するという新たな負担が発生しますが、毎年実習制を受け入れると常時一定数の実習生が就業することとなり、良い意味での先輩・後輩の関係ができているようです。受け入れた事業所では実習生と同じ年代の(若い)職員に良い意味での刺激を与え、職場が活性化した、国際的な視点から考えられるようになったという声も寄せられています。
- 1事業所で何人の実習生の受入れができるのですか。
受け入れることができる技能実習生は、事業所単位で、介護等を主たる業務として行う常勤職員(常勤介護職員)の総数に応じて設定(常勤介護職員の総数が上限)した数を超えることができません。
※常勤介護職員:正社員(日給、月給含む)
①所定労働日数 週5日以上、週所定労働時間30時間以上、かつ217日/年以上
②雇用保険の被保険者であり、かつ30時間以上/週
→①②いずれかに該当する
- 実習生を受け入れる事業所の負担はどのようなものですか?
- 受入前に技能実習実施計画を策定します。これは監理団体の職員である「技能実習計画作成指導員」と一緒に作成します。この計画を国の機関である「技能実習機構」に提出して認可を受けます。実習生が事業所に配属された後はこの計画に基づき仕事に就くことになります。
介護事業所で雇用契約を結ぶのですから、仕事に対する報酬を同等の勤務に就く日本人と同じ待遇(給料、休暇など)を保障することが必要です。これに加えて、受け入れまでの経費(入国前講習、渡航費など)、入国後の講習の経費(講習費用・講習手当)、事業所に配属されてからの経費(監理団体への監理費)が必要です。
- 実習生を受け入れるためにはどのような手続きが必要ですか?
- 技能実習という国の制度に基づいて行われるのですから、事業所が海外に出かけて自由に実習生を求めることはできません。日本国内の技能実習生の監理団体を通じて実習生を受け入れることとなります。
「監理団体」は「事業協同組合」となっていることがほとんどです。協同組合はそれぞれ活動の地域と加入資格の業種が定款で決まっています。技能実習監理団体の許可を受けている(許可申請を行なっている)協同組合に加入します。
次に監理団体へ技能実習生の求人票を提出します。監理団体はこれを外国の送り出し機関へ送り、求職者のリストを取り寄せます。このリストから介護事業所が第1次選抜を行ない(採用予定数の2~3倍の人数)、現地に出向いて面接を行なって採用者を決めます。
採用された実習生は送り出し機関に入所して、6ヶ月~1年間の入国前講習(日本語・介護技術)を受け、日本語検定試験のN4を受験・合格した後に来日します。入国した後は1~2ヶ月の入国後講習を受け、その後に事業所に配属されます。
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